C3-シーキューブ- 第十二章(終)『超越者は何処にでもいる』

捕えられた春亮と黒絵を救い出すために、フィア・このは・錐霞の三人がアリスと戦ったお話。
予想されていた事だったとはいえ、何事も片付く事もなく終了。これは原作が終了していない作品すべてに共通することではございましょうが、本作のように最終的にフィアの呪いが解ける、そしてその時フィアがどう振る舞うのかを描くだろう作品の場合、この段階でアニメ制作者が描けるものは本当に少ないでしょうからこの終わり方は致し方ないものではございましょう。
人の行為によって呪われた存在になった道具がそれでも人となることに憧れるという物語を描く場合、過程こそが重要になりまして、様々な同類と出会ったり別れたりしながらフィアの心境に起こる変化というものを丁寧に描いてこそ、視聴者や読者は彼女に共感できるのだと考えております。
まして主要人物を登場させるだけで結構な尺を要してしまいましたので、本来ならばここからが「フィアの旅」の本番なのですが現実はここで終了。…この物語を12話の1クールで語るには最初から無理がございましたでしょうか。
とは申しましても、1話毎をパーツとして眺めていた分には大沼監督の演出やアクションシーンのキレなど楽しませていただきましたし、日常パート(と申しますか「ギャグパート」)も面白かったので作品といたしましてはそんなに悪いできといった印象はございませんでした。
本作は「何を語ろうか」というものが明確でございましたので、返す返すも尺の不足が残念でございます。2期は…、う〜ん。