THE iDOL M@STER 第二十話『約束』

千早は自身の過去を暴かれて歌を歌えなくなってしまう。そんな彼女を救おうと春香は、というお話。
この作品はこの後に放送されている「はがない」より視聴年齢が随分と上らしいのですが、こういったエピソードを拝見いたしますとさもありなん、と(笑)
何と申しましょうか、こういった自分の過去に苦悩するといった設定がそこはかとなく「昭和」の香りがするのですが、考え過ぎかなぁ。
千早に罪はないのですが、弟を目の前で死なせてしまったという出来事に罪悪感を感じてしまうのは当然でございまして、そういう場合人は「誰か」に罪を背負ってもらう事で自分の罪を軽くしてしまうのでございますが、彼女はひとりで背負い込んでしまう、と。
それは彼女と弟の絆故でもあるのですが、その絆が最後に彼女を救ってくれるという展開、そしてその助けを仲間がしてはくれるのだけれど、最後は自分で前を向くしかないといった展開、その補助として本作最大の特徴である「歌」を用いるといった展開。
本エピソードでは晴香が中心に描かれておりましたが、ここまでの積み重ねがあれば春香でなくても可能だったでしょうし…、いや、前向きな性格という春香でなければならなかったのかもしれませんが、兎にも角にもメンバーたちの細かい性格を描いていたからこそ全てが「約束」という歌に収斂した見事な構成でございました。
やはりですね、古いとかテンプレだとか云われても、段階を踏んだ構成というものの説得力は確かなものがありますし、いつの時代も通用するものだと考えるのですが、どうなんでしょうね?
本作は「アイドル映画」の正統なる後継者であると確信したエピソードでございました。