No.6 #07『真実の嘘・虚構の真実』

沙布が管理局に捕えられている事を知った紫苑がネズミに黙って助け出しに行こうとしたお話。
どうも登場人物が「生き生き」と感じられなくて残念。紫苑は色々と困難な状況をくぐり抜けてきたのに天然のおぼっちゃまのままですし(もっともそれが紫苑の個性なのでしょうが)、ネズミはただイライラしたキャラですし、どうにも魅力的にみえません。
作品によってはキャラが「記号」として存在していた方が良いものもございまして、たとえば「ゆるゆり」などはキャラが記号だからあのカラッとした作風でいられるのでございまして、もし一人一人のキャラが記号以外の存在になってしまいますと、「レズ妄想」に生々しさが付加されてしまいかねません。…まあそれはそれで別の需要が発生しますが(笑)
でもこの作品のように物語を登場人物で語る作品の場合、キャラは作品の原動力でございまして、それこそ「キャラクター=個性」が何より重要でございます。それも視聴者を引き込むような強烈な魅力を持った個性が。
現在紫苑とネズミは物語の「案内人」にとどまっているように見えまして、物語を引っ張るまでには至っていないかと。
紫苑がこう動いたから物語はこう動き、ネズミがこう考えたから物語はこう変化した。それを視聴者に納得させるのが先の見えない物語のけん引役としてキャラには求められているのではないでしょうか。
序盤だから、とも考えられるのですが、であっても今後の彼らを予想させる「個性」を描いて欲しいものでございます。