シュタインズ・ゲート #17『虚像歪曲のコンプレックス-Made in Complex-』

鈴羽の犠牲でもまゆりの命は一日しか伸びなかった。その事を紅莉栖に打ち明けると、彼女は過去に送ったDメールを全部取り消せばIBN5100を手に入れられるのではないかと仮説を立てた。岡部は「最後」に送ったフェイリスのDメールを取り消すことにした、というお話。
で、この作品も原作好きからみれば物足りなかったり、端折っていたりと色々不満はあるのでしょうが、アニメしか観ていない者といたしましては十分楽しめる作りとなっております。
「販促」として大事なことは「原作ファン」を満足させる事ではなくて、原作を知らない者に原作に興味を持ってもらう事でございまして、その意味ではこのアニメは私にとっては「仕事」を果たしていると思います。…ゲーム購入まではもう一息ですが。
さて、前回に引き続き過去の修正話。過去何度もコメントを頂きましたので、修正といっても「なかったことにする」のではなく「なかった世界線への移動」ということであろうと理解しております。便宜上「修正」と書きますが。
最終的にIBN5100を入手する世界線まで到達できるのかどうかは分かりませんが、ダイバージェンスメーターが「1」を超えるための必須アイテムがソレならばなんとかしないといけない訳ですが道のりは遠そうでございますなぁ、残り話数で足りるのか心配です。
フェイリスの決断が悲壮でございましたが、彼女自身はその時の記憶を持ちこさないので実はそんなに悲惨なお話とは感じず。むしろ岡部の方が鈴羽に続いてフェイリスの「なくしたもの」を背負っているだけ悲惨極まりないかと。
岡部自身も「バカ騒ぎを好み厨二病を演じていた岡部」を失ってしまっているのですが、ここの描き方が胸に迫ってまいりまして、アニメ版として「描く事」の焦点を絞って上手く行っていると考えております。
イデアや状況は原作の方が面白いのかもしれませんが、上記の作品でも書いた通りたかだか25分しか時間の取れないアニメにおきまして全てを網羅する事は不可能でございましょう。その時、何を選択するのかがアニメスタッフの腕の見せ所でございましょう。
本作は「岡部の旅の記憶」として優秀でございましょう。その旅の終わりがどのようなものであっても、でございます。