神様のメモ帳 Page.3『僕が二人にできること』

で、どこが分からなかったかと言えば、「鳴海が2億円を小口に分け岸和田会の口座に入金する」の部分でございまして、それがなんで美河に対する脅しになるのかが全く分からなかったからでございます。
…ああ、なるほど。マネーロンダリングの痕跡を国税に知られるリスクを脅しの材料にした訳か。
女子中学生に白い眼で見られながら(しつこい)手に取った原作本(このエピソードは2巻一冊でございました)は、おっさんの予想を裏切る厚さと細かい文字で埋め尽くされておりまして、到底2話で処理できる分量ではございませんでした。…ラノベってもっと薄くて文字が大きいものだとばかり思っておりました。…反省せねば。
で、肝心の部分は二つの意味があり、ひとつは上記のように鳴海がやくざを向こうに回して頭脳(と度胸)で勝負するエピソード解決のための見せ場として。
二つめはヘタレで頼りない園芸部員の鳴海がいざという時には思い切った事ができる少年であることを視聴者に知らしめる事と、さらに大勢の仲間が彼の作戦で動いてくれる、…つまり鳴海には人を動かすだけの魅力があるという事を描いており、これは作品上大きな意味を持った部分だったのではないでしょうか。
それがあのような描写に止まってしまった事は、作品の魅力を伝えるどころか逆に阻害しているとしか感じられないのでございます。
女子中学生に(ryチラッと(耐えきれませんでしたw)立ち読みしただけですので、全体像は掴めなかったのですが、何れにせよあの分量の内容を2話で収めるといった暴挙をなした時点で本作はアニメ版の負けというところでしょうねぇ。
アリスや鳴海の周囲には魅力的な人物が配置されておりますが、「事件」を追う事に汲々としている印象しか残らず、作品を動かす上で一番重要な人物の奥深さを描く事にも時間が足りておりません。
25分といった縛りがあるテレビアニメでは、よほどの才能を持った方でないとこれらのバランスを取るのは難しいのかもしれません。