夏目友人帳・参 第一話『妖しきものの名』

バンダイチャンネル」で視聴。原作はおっさんにしては珍しく全巻所持。
三期といっても特段変わったところもなく、もうこの世にはいない、会った事もない祖母「夏目レイコ」の残した友人帳が、時を越えて孫の貴志を救ってくれる「友人帳」の世界を淡々と描写しておりました。
「妖」と「人間」の間に立って居場所のなかった夏目にとって、どちらも近くて遠い存在でございまして、その身の置き所のない不安さを大森監督が優しく丁寧に描いて下さっていることが嬉しゅうございます。
「妖」の「時には助けてくれて、時には傷つける、そして大概は無関心」というのは、そっくりそのまま「人」にも当てはまり、貴志がどちらに馴染んだとしても本当は困らないのかもしれません。
今回はレイコの知り合いの妖と悪霊と無関係な妖のお話。老女から悪霊を祓ってくれと頼まれた夏目が危機に陥った時、無関係だった妖が夏目の身代わりになってくれるといった内容でございましたが、それぞれの妖のエピソードが個別に語られ、それが最後になってひとつにつながる構成にまたも創作能力のないおっさんは感心(笑)…我ながらチョロイ奴だなぁ。
優しく温かく、時には辛く厳しい物語の三度目の開幕でございます。