輪るピンクドラム 1st station『運命のベルが鳴る』

「運命」に翻弄される兄妹の物語…、かな?
高倉家の末の妹陽毬は不治の病に冒されてその生涯を閉じようとしていた。家へ戻ってきた陽毬の願いを叶えようと双子の兄・冠葉(かんば)と晶馬(しょうま)は陽毬を思い出の水族館へと連れて行くが、そこで倒れた陽毬はそのまま命を落としてしまう。だがその時、というお話。
幾原邦彦」さんの名前も評判も知っておりましたが、彼が活躍していた時代というのが私がアニメを観ていなかった(物理的に観ることが出来なかった)時と重なっておりまして、どのような監督で、どのような作風なのかを全く知らぬまま今日に至っておりました。
序盤から中盤にかけましては確かに独特ではございましたが、今となってはさほど目新しさを感じるわけでもなく、「ああっ、やはりその時に観るべき監督だったのか」と考えました。
がっ!
意識を支配された陽毬が兄たちに「ピンクドラムを探せ」と命じるシークエンスは一瞬たりとも画面から目を離せませんでした。なるほど、「天才」と言われるだけのことはございますね、…凄いなぁ。
なんでしょうねぇ、作品に対する演出意図を越えた「美意識」「様式美」とでも申しましょうか、これを知らないで今まで生きてきたのかと思いますと、ただただ悔しい(笑)
作品内容につきましてはまだ五里霧中でございますし、どう転んでいくのか見当もつきませんので何とも書きようがありませんが、この画面を観るためだけでも価値はあるようでございます。