花咲くいろは 第10話『微熱』

旅館の仕事を頑張っていた緒花は、無理がたたって熱を出してしまい寝込むことに。緒花の元へ次々と見舞いに訪れる喜翠荘の面々。そんな中菜子の言葉に揺れる緒花は、というお話。
熱にうなされている病人のグチャグチャな思考状態を実に巧みに表現しておりました。…やはり西村純二(ここでは「ジュンジ」表記でしたが)さんはオリジナルな作品、あるいは原作付でも好き勝手できる作品でこそ力量が発揮されるようでございますねぇ。
混濁した記憶と現在の状況を行きつ戻りつしながら、緒花と喜翠荘の人々の距離、そして自分の本当の気持ちと自分の(今の)居場所を見つけ出す処にキチンと着地させた。
それでいて描写そのものはコミカルであり、軽い。スイの若かりし頃の写真からあんな妄想(笑)を連想させてしまう辺り、ここまで本作が作り上げてきた「色」は変えていない訳でございまして、見事なお仕事でございました。
どんなに頑張れる人間でも、時にはその努力を誰かに認めてもらいたいという気持ちは痛いほど分かります(笑) 努力を「褒めて」もらいたいのではなく、誰かが見ていてくれる、それだけで十分。緒花は自分の力で自分の居場所を作り、自分でその場所を選んだという実にいい話でございました。
人間関係(男女関係か?)に波風が立ちそうな場面もございましたし、緒花が見ていた夢の中で狐と一緒にいた女の子といった「?」もございましたし、まだ一波乱も二波乱もありそうな予感をさせてくれたエピソードでございました。
…ここでお詫びと申しましょうか、訂正と申しましょうか(笑)
先週コメント欄でご指摘いただいてからこれまでの感想でネガティヴな処があった事を思い出しましたが、26話も尺があるとなりますと「バラエティに富んだ内容」と転換を図りませんといけませんね(笑)
いや実際そういう前提(26話)で観返せば、全く違う感想になっただろうと反省しております。…やはり情弱はダメですねぇ。