電波女と青春男 六章『リュウ『コ』さんの、なんちゅーか、もやーっと』

リュウコさんが色々と悶々としたお話。
先週もエリオに対する世間の冷たさを真正面から描写した処に感心したのですが、今回もリュウコのエリオに対する態度、エリオと一緒に居ると学校で浮いてしまうと忠告(というより告げ口ですね)、そのことで自己嫌悪に陥ってしまう処を描いたところに感心いたしました。
こうした「負の感情」の部分はオブラートに包むか、主要登場人物以外の捨てキャラに任せた方が差し障りがないのですが、本作はその役目を重要なキャラであるリュウコさんに演じさせてしまっているわけですよ、…偉いなぁ(笑)
人間というものが醜いものを内側に抱え込んでいる事は誰でも承知しているわけですが、そうしたことを表に出すと物語は一気にくら〜い方へ向かってしまいかねないのですが、本作の作者はギリギリのところで踏みとどまっておりますし、アニメの監督も意識的にリュウコの表情を明るく描く事で作者をサポートしておりました。
この作品の主人公がリュウコであればここを深く抉るのは有効なのでしょうが、本作の主人公はどう見てもエリオでございますので、こうした描写もエリオの置かれた状況の説明として描かれていれば十分。必要以上にリュウコを悪者として描くことにマイナスがあってもプラスはございませんしねぇ。
4人(女々さんもいれると5人か…)の距離が微妙な処もリアルで可笑しい。
こうやって観てまいりますと、当初抱いていた「不思議ちゃんの物語」というイメージは間違いで、地に足がついた由緒正しき青春の物語でございます。…あれですよ、シャフトのやり過ぎた絵作りに騙されていたと言う事かと(笑)