あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 第1話『超平和バスターズ』

過去に置き忘れてきたものを取り戻そうとするファンタジー、かな?
この「過去に置き忘れてきたものを取り戻そうとする」といった構造は映画や小説でも多く使われるものでございますが、その「忘れてきたもの」が何か、取りに行く者の年齢・立場がどういうものかでバリエーションは「ロマンス」から「SF」「ハードボイルド」等々、無数に存在いたします。
それをどう料理するかは創造主の腕次第でございますが、本作の監督は「長井龍雪」さんで脚本は「岡田磨里」さん。…期待は大きいです(笑)
主人公の「じんたん」がこの時点で「負け犬」なのが観ていて辛い。本来明るく楽しい青春を謳歌していて当然の年齢を、負の感情に支配されて無為に過ごしているわけでございますが、であるからこそ彼が(そして離れてしまったかつての友人たちも)「リスタート」するために「過去と決別する」物語なのかもしれませんね。
「置いて来たもの」を思い出したり取り戻したところで過去は過去でしかなく、そこへたどり着けてもどこにも幸せになれる保証などはありませんが、もう一度前を向くためには掛違ったボタンはそのままにしておく訳にはいかない、と、
この状況からお話が始まれば、そりゃあもう鬱々たる物語が予想されるのですが(それはそれで見てみたいにですがw)、この作品の救いは幼馴染で幽霊の「めんま」の存在でございまして、彼女がいるだけで彼ら彼女らの「再生」を疑わないでいる不思議さを感じます。
田中将賀」さんのキャラデはこういった作品に「どうかな?」と感じたのですが、長井監督の「キレ」のある演出には合っているように見えまして、絵的にも楽しみは膨らみました。
ただなぁ…、「じんたん」や「めんま」はともかく「あなる」というあだ名は狙いすぎでしょう(笑)