魔法少女まどか☆マギカ 第11話『最後に残った道しるべ』第12話(終)『わたしの、最高のともだち』

ああっ、もったいない!あるいはなんという贅沢!
…ネット環境ですと2話連続、関東方面の方なら3話連続で視聴した訳ですが、この結末を一気に視聴してしまうのは実にもったいない。一週間ずつ消化して「次週はどうなってしまうのだろう」と待つ時間の貴重さを思い、同時に「ひとかたまり」として視聴できた事で「待つ時間」の焦燥感を味あわないで済んだ贅沢さ…、視聴後の感想はそれに尽きました。
物語の感想でございますが、上手くまとめたものだといった一言かと。
10話の段階では八方ふさがりで、ほむらがどう足掻いてもまどかの運命も自分の運命も変えられそうもなかったですし、11話冒頭で他の可能性もQBによって塞がれてしまっておりました。
そこでまどかの存在を上位に持って行くことで「チェス盤をひっくり返す」という抜け道を考えた処までは創作者としては普通だと思いますが、それとほむらの能力を考慮した結末を用意したのは見事だったですね。
全てをなかった事にして新しい世界を用意する。
それはこの場合、まどかが経験したり考えた末の解決策としては妥当なのですが、それだけですとまどかは救われない。そしてまどかが救われないとほむらも救われない訳でございまして、12話かけて紡いだ物語の結末といたしましては後味の悪さが残ったことでしょう。
けれど、ほむらがどの地平の世界に存在してもまどかの事を憶えている。何度繰り返しても忘れない。誰にも知られる事なく世界を見守る存在になることにまどかは後悔も悲しみもなかったでしょうが、それでもたった一人、自分の一番大切なともだちが永遠に記憶していてくれる。
その事で二人の絆は永遠であり続けるわけで、その絆こそがまどかにとってもほむらにとっても救いとなるのだと思います。あの絶望的状況からこの「ハッピーエンド」に持って来るなんという力業でございましょう。
作品といたしましては「広がり」というものに欠けていたようには感じたのですが、このコンパクトな尺である以上それは仕方のない事でございますし、むしろ限られた尺の中に収めた構成は賞賛に値するものでしょう。
オリジナルでもここまではやれる!
そうした制作者の心意気を表現してくれた作品に出会えて幸せでございました。