フラクタル EPISODE 11(終)『楽園』

結局最後まで「唐突感」を取り去ることが出来ませんでした。
「オリジナル・フリュネ」にいたしましても、ここに至るまでに彼女の存在を(伝承のような形で)匂わせておけば、あの笑顔の裏側の哀しみや少女の喜びなどを感じ取れたと思うのですが、それもなかった。
スンダが死を賭してクレインたちを逃がした理由、ディアスが僧院を滅ぼそうとした動機。描いておけば効果があったはずの描写がなかった。
仮に尺の関係でそうした描写を入れられなかったのだとしたならば、もっと整理して…、この先は先週も書きましたので割愛(笑)
物語としては嫌いな部類ではなく、と申しますかむしろ大好きな構造の作品でございましたが、細部の気配りが不足気味だったため残念なことになってしまったかと。
山本監督に全体を見渡す力、あるいは構成力が足りなかったのか、それともこうしたジャンルの作品が体質的に合わなかったのかは定かではありませんが、いつの日か監督の本気というものを視聴する機会もあるでしょうから、その日まで待機したいと思います。