創聖のアクエリオン 第17話『食べたくて合体』

シルヴィア・麗花・つぐみのアクエリオン三人娘がダイエットに苦しんでいる隙を天翅族の双翅(フタバ)がついてきて、というお話。
思いますに監督の河森さんは私と同じような時代を送ってきた方で、この年代の特徴の一つに「真面目な話を真面目に語る事に抵抗を感じてしまう」というものがあるんじゃないかと。
巨人の星」といえば今の方々にとりましてはパロディの対象でしかないでしょうが、私たちにとりましてはそこで語られていた「熱いもの」にシンパシィを感じつつも、表面的にそれを支持することは憚られる…、要するに「格好つけの照れ屋」といいますか、そういった傾向があるような気がしております。
シリーズ全体の印象もそうなのですが、今回のお話なんてその典型のように感じられまして、ダイエットのバカ話でスタートしていながら「人は他者の命を喰わずにはいられない」というお話に進み、そこでまた「喰い物の残骸の臭いで相手の位置を知れ!」とバカ話に転じ、しかしまた「喰う喰われるという行為は、命の連鎖の中に居るという事」と真っ当な結論に到達しておりました。
このエピソード自体は絵も含めまして実に楽しく視聴できましたので、全く問題はなかったのですが、上記のような事を考えますと「これも時代か…」と思えてしまいまして(笑)
…いやむしろ逆で、軽いタッチで描きながらも大事なことを伝えようとしている腐心の現れなのかもしれませんね。