花咲くいろは 第1話『十六歳、春、まだつぼみ』

母親の彼氏の借金が原因で、北陸にいる見知らぬ祖母の旅館に向かった緒花は、そこで様々な人びとと出会い困難にぶつかることになった、という初回。
初めて出会う人、初めて見る風景、そして自分を知る人の居ない場所と申しますと、たとえば遠い場所にある大学なんかに進学して下宿生活などを連想いたしますが、そういった明るい生活のスタートですら漠然とした不安はつきものでございますが、本作の主人公緒花の場合母親の逃避行(?)の巻き添えという実に気の毒な境遇からのスタートでございますので不安もより大きいかと存じます。
ただ緒花の設定が現代っ子(死語)で前向きというところに救いがあり、視聴しておりまして暗い気分にならないで済んだのは幸いでございました。
フワフワしているようで芯が強く、涙を流しても「ドリャー!」と大声を出すことでそれを振り払う勝気な性格の緒花がこれからどのように成長するのか、そして彼女の目に映る世界がどのように変わって行くのか。
岡田磨里さんの筆の力にも期待できそうな作品でございます。