STAR DRIVER 輝きのタクト 第二十四話『ひが日死の巫女』

シンゴが目覚め、ひが日死の巫女の封印が解かれ、ゼロ時間が解き放たれようとしていた、というお話。
色々な要素が激流となって最終回になだれ込もうとしておりますので細かい部分の感想はともかくといたしまして、今回の「キモ」はタクトとスガタとワコの三人が夕日を見ていたシーンでございましょうか。
そう、「今日のこの空は今日しか見られないんだよね」というワコに「大丈夫、僕たちはこれからこれとは違うもっと凄い空をきっと見るさ」とタクトが応えたあの場面でございます。
歳を取って立場も関係も違ったとしても「この時」「この瞬間」のことを忘れさえしなければ、いま三人で感じたことは何も変わらない。そして「それ」を失わない限りもっと凄いものを「見つける」事が出来るというものでしょう。
この「瞬間」が「永遠」につながっている、「今」が「未来」を約束してくれているという描写をさりげなく挿入している辺りがおっさんにはストライクでございました(笑)
そして同時に、この作品が「青春の謳歌」をテーマにしているのに何か足りないと感じていたのですが、それが「切なさ」であることが分かりました。
「青春」と申しますか、この年代のことを描くときつい「楽しさ」や「激しさ」が優先されてしまいますが、その隠し味として「戻り来ない時」の「切なさ」が不可欠だと考えるのですが、本作はそれがここまでは足りていなかったなぁ、と。
サカナちゃんやミズノ姉妹(?)との別れや、タクトの親友の死などの時にそうした部分を補えたと思うのですが…、いやこれはおっさんの発想ですね(笑)
青春真っ只中にいる者にとって「未来」なんてものは存在していないも同然で、「今」しかないのですからこれでいいのか。
最終回にその不足していた「切なさ」を大量投入してくれることを期待したいと思います。次週最終回。