かみちゅ!第8話『時の河を超えて』

実質9話のエピソード。
以下2009年4月16日エントリーの加筆修正
倉田英之さんの脚本が冴えておりました。導入部の「大工の源さん」から大和へお話が進む辺りはともかく、源さんの大和に対するイメージが「ゆりえ」さまを補助し、そして帰還した大和を今度はきちんと見送れた、と澱みなく流れる脚本は見事なお手前ございました(笑)
その脚本を仕上げるのが作画と美術。今回DVDの「オーディオコメンタリー」で渋谷幸弘さんのお話を聞けた事は幸いでした。専門的なことは分からなくとも「気合」は必ず伝わりますし、本作の美術の凄さは認識しておりましたが、「作品の世界を崩さない美術」のご苦労を再認識いたしました。
「大和」の扱いも優しさに溢れていて温かい気持ちになれました。兵器として生まれたとはいえ、それは人間の都合でしかありませんから「大和」に罪はないという立場でございました。彼は帰りたかったに違いない、生まれ故郷から遠く離れた深い海の底で彼はそう思っているだろう、と。
今はなんでも「擬人化」してしまう時代ですが、考えてみますと日本人は大昔からそういう「見立て」を当たり前のようにしてきた民族だったなぁと実感。それが形のあるものであれ、姿もないものであれ「いる」と思えば「いる」と認識できる。
この作品で描かれている神様の存在自体が「あやふや」なのですが、「いた」方が楽しいと思えるのですからそれでOK(笑) 心に余裕を持たないといけませんというお話でした…違います!(笑)
再エントリー終了
と以前の感想を読んでいて、渋谷さんは何を喋っていたのか書いていなかったため、再確認のためDVDを引っ張り出してみました、…二度手間だなぁ。
で、DVD版を観返しますと諸々カットされている部分があった事に気が付きました。う〜ん、もったいない!
肝心のコメントでございますが「ロケハンのない作品の場合、個人的にロケハンに行く」「大和の艦橋資料がなくて困った」「神社の鈴でも、それを吊るしてあるところは大工さんによって組み方が違うから気を遣う」「ありえない世界が描かれている作品だから、目に見える部分はいい加減に描けない(意訳)」等々。
本当に仕事って大変でございますねぇ。