夢喰いメリー 第5話『夢に惑って』

「ケーヤク」の成立した夢路とメリーの共同生活が始まった。ゲームや買い物といった他愛のない日常を新鮮に感じるメリー。しかしエンギという夢魔がそんな平穏を打ち破った、というお話。
冒頭のゲームの「真剣白刃取り」がエンギ戦の伏線でございましたか(笑)、うん悪くないです。
帰るためにあてのない旅を十何年してきたメリーがやっと得た希望と仲間という描写のすぐその後で、現界に来た夢魔は帰る事などできはしないと絶望に叩き落とす。…酷い話でございますなぁ。
ただ本作には「某作品」にはない一縷の希望も残されておりまして、それが夢路という存在でございましょう。一人ではない。それだけでメリーの旅は以前とは全く違ったものだと思えるのですが…。
ただこういう楽観的な見方が本作及びこの監督に通用するかと自問いたしますと、まったく自信は持てませんね(笑)
物語もさることながら今週も演出が個性的でございました。
印象に残ったのは天空に浮かぶ青白い月と、繰り返し写しだされるススキ。…今回もその意図が掴めず仕舞いで悔しい(笑)
でもあの月を見ていますと「ハートキャッチ」の長峯さんも使っていた事を思い出しまして、山内監督の影響を受けていたんだなぁと実感いたしました。
そして今回の白眉はエンギとメリーのアクションシーン。
ああいった作画のアニメがネットでは否定的に受け止められている事は、過去何度となく目にしてまいりましたので承知しているのですが、高速で動いている人物が歪んで見えるというのは「人の視覚」として正解だと考えておりますので、あの表現は断固支持いたします。
それに動いている「絵」を止めて抜き出すことに意味も見出しておりませんので、一連の動きそのものを評価して欲しいなぁ、と。今回の作画監督「小林絵実子」さん。そうか、「おおかみさん」の人なんですね。
エンギの繰り出した刃の前に飛び出した夢路の心が、メリーはもちろんエンギにも届くのでしょうか?以下次週。