フラクタル EPISODE03『グラニッツの村』

エンリに捕まってフラクタルシステムに抵抗する人々が住む村グラニッツに連れてこられたクレインとネッサ。そこでネッサの兄でロストミレニアムのリーダー・スンダに会い、さらに「星祭り」襲撃に同行させられたクレインはフラクタルシステムの真実を知ることになった、というお話。
早々にスンダの口から「文明批判」が飛び出しまして、あまりのストレートさに驚くとともにその潔さに感心…、する訳はございません(笑)
もっともこれだけ早い段階でそうしたものが提示されたという事は、この先にこそ本当に語りたいものがあって、実はこれも初回の「パロ」と同じく視聴者をミスリードさせるための作戦ではないかと考えてしまいましたが、さてどうなんでしょう?
ただですね、折角主人公が「男の子」でございますし、こうした世界への疑問や疑念というものは自分の頭でたどり着くようにしていただきたかったかと。
制作者の真意はともかくといたしまして、体裁として「冒険活劇」を装うのですから、物語世界の理不尽さや歪みを見せながらそうした考えにたどり着けば、初回からの本作の描き方に対して誠実のような気が致しました。
「教えられたもの」で判断しないで、自分で見て経験して考え結論に至る。それこそスンダがクレインに指摘した「何も知らない」に対しての回答ではないでしょうか。そのためにもクレインがフラクタルシステムと決別した人々が住むグラニッツ村でしばらく暮らす描写が必要だったかと思いました。
社会システムと宗教と言う捉え方も「ありがち」かなぁ。手垢まみれの素材を使って何を見せようとしているのか。しばらくは様子見、と。