夢喰いメリー 第3話『夢の向こうから』

町を彷徨うメリーは公園で「みなと」という少女と出会い餌付けされ(笑)遊んでいる最中、メリーを探していた夢路と再会した。夢路が「みなと」を「見る」と、彼女に「夢魔」が憑いていた、というお話。
物語の構造がそう複雑なものでないからなのでしょう、一話で「出会い」二話で「別離」三話で「再会」と、澱みなく進行。
この作品で重要なことは「メリーがどこから来て、どこへ行くのか」でございまして、エピソードはそれを描く長い旅といったところでしょうか。
もっとも、夢路が何故「夢魔」に侵された人を認識できるようになったのか、何故夢魔たちは「現」に出て行きたいのかなどといった「仕掛け」も用意されておりますので、その辺で楽しみを持続できるようになっているようです。
今回も監督自ら演出と絵コンテを担当、頑張りますなぁ。ですがこの作品で山内さんがここを担当して下さいませんと、作品の印象が全く違ったものになってしまいそうで怖いです(笑)
何かを暗示するかのような(いや、暗示しているのでしょうが)一見意味のなさそうな絵のアップ、風景だけを写しての台詞、体の一部あるいは顔だけフレームの外に出した絵、そうかと思えば極端なクローズアップ、…こうした演出意図が分かるようになりたかったなぁ(笑)
まあその演出意図が分からないから楽しめないといった稚拙な監督さんではございませんで、お話が平坦にならないようなアクセントとしてそれらを認識しても楽しめるように作られてはいるのですが、その真意が分かればもっと楽しめるだろうなと感じております。
「デイドリーム空間」のイメージもどこか儚げで美しい。新房監督の禍々しく毒々しいアレと対極にあるように感じられまして、この時期に対照的な作品を視聴出来る事は一視聴者としては僥倖かもしれません。
ラストシーンに登場した「天使(?)」が、どう関わって来るのか。楽しみは大きくなってまいりました。