バクマン。 第17話『天狗と親切』

アシスタントとしてエイジの仕事場へ向かった最高は、そこで同じアシスタントとして手塚賞の受賞経験のある福田とベテランの中井と出会った。天才的な仕事をするエイジだったが、新連載の作品は二回目の読者投票が4位となってしまっていた。福田はその原因を的確に指摘、エイジは最高たちとアイデアを出しながら5回目の原稿を描き直すことになり、というお話でした。
マンガ家は個人のお仕事だけれど、同じ職業を選んだ同士であり、いつまでも続くライバルでもあり、そして同じ「マンガ」という表現方法を選んだ友という事を語ることなく見事に表現していて実に爽やかなエピソードでございました。
と同時に、作中の「ベタ」ではあるけれど時としてそれは必要だというお話と、描かれていた「ベタ」な内容(大好きな事に取り組む時、お互いの垣根を簡単に飛び越えて行く)とリンクさせるという見事な二重構造だった訳ですよね?
これまでも描かれている内容と、そこで語られていた事を実践していたのかもしれないと考えますと、また色々と見逃してきたんだなぁと落胆(笑) もう少し考えながら視聴すべきでございますね。
中井さんのキャラが立ってまいりました。夢を追いかけて掴めず、それでも諦めきれないでいるけれど、若く眩しく才能を前にして泣いてしまう。…切ないなぁ。でもその経験が活かすことができる場所があるという優しいフォロー。…もっともそれは決して彼の本意ではないでしょうが。
今回は女っ気が殆どございませんでしたし、ほぼ室内描写という地味極まりないエピソードでございましたが、「燃える!」という事で言いますとシリーズ屈指のエピソードではなかったかと。
派手なアクションだけが読者(視聴者)を熱くさせるのではないという事を、作品を通して知らしめてくれたお話でございました。