海月姫 第10話『愛とぬるま湯の日々』

「殴られて、愛に目覚める、悪女かな」
童貞(笑)を手玉に取っていたつもりが本気になってしまったでござるというお話、…いやちょっと違う(笑)
好きなものに対する妥協のなさ、対象物に向かう真摯さと、オタクの良い面を発揮した月海が格好良く描かれていて満足。ただしこれで全てが上手く行くかと問われれば…。
一方修と稲荷の恋の行方も気になったりしましたが、残り1話でこの「風呂敷」を上手に折りたためるかどうかも疑問。と申しますかこれで折りたたまれては納得がいかねー(笑)
どんな物語でもそうなのでしょうが、こうした「人の心の揺れ動く様」を描いているお話は特に「積み重ね」が重要だと考えておりまして、それがあって初めて物語が描こうとしているものが完成すると思うのですが…。
本作の場合、比較的コンパクトな人物配置で物語は進行しておりますが、それでも「アマーズ」の方々ですとか、登場していない蔵ノ介の母親と慶一郎ですとか、作品に深みを与えてくれそうな部分があまりにも端折られておりまして、残念至極でございます。
いや、「本題」の月海と蔵ノ介のお話でもまだまだこれから紆余曲折があって然るべきでしょうし、…この枠のアニメってこういう扱いが多いですよね?(笑)
という事で、若干(かなり?)消化不良気味なのですが、とりあえず次回の最終回では月海と蔵ノ介の「明日」だけでも描ききっていただきたいものでございます。