屍鬼 #18『第悼と夜話』

カタストロフィの始まり。
視聴スタイルといたしまして「どちらかに肩入れしながら観る」事が多かったりするのですが、本作も当初は屍鬼に襲われる村の住人の側に立って視聴しておりました。
当然作者(アニメスタッフかな?)もそれは予想していたでしょう。攻守ところを変えて屍鬼の哀しみを描き出されますと、今度はそちらの側に立ってみたりと、実にふらふらと両方の側を行ったり来たり(笑)
結果といたしましてどちらの言い分も真っ当だと思うようになりまして、もうこれはどちらが悪いとかそういう問題ではないのだというところに「誘導」されていた訳でございます。多分それこそが作者の言いたかった事で、まんまと引っかかってしまったなぁ、と。
ただ、今回に至るまでにもう少し深く抉って欲しかったかなという事も感じました。前回襲われた律子はもう「おきあがり」になっておりましたし、千鶴の「過去」や沙子との関わりなどがもう少し丁寧に描かれておりましたらと残念に思いました。
これが小説であれば、村人ひとりひとりに対して十分な頁も割けた(割けている?)のでしょうが、時間も決まっているアニメ番組の場合、誰を大きく取り上げて誰を流すかという「取捨選択」、場合によっては切り捨てる作業もは絶対必要でしょう。
本作もそれは行ってはいると思いますが、もっと大胆に改変しても良かったように思いました。「強弱」のつけ方にもうひとつ思い切りが足りなかったかもしれません。
千鶴が語った「人間」だった頃の思い出は戦時中なのでしょうか?だといたしますと沙子と出会ったのはその頃という事なのかなぁ。この辺のお話も見たかったのですが、もうそんな話をしている暇はなさそうです。
次回、惨劇の幕が上がる?