テガミバチ REVERSE 第十五話『おかえりなさい』

帰ってきたゴーシュ、喜びに溢れるシルベットとラグ。だがそれは、というお話。
前回のホーダイのお話を見て、「でもゴーシュの記憶は戻ったよね?」とわずかな希望を与えておいて突き落とす、と。
「希望」の後に来る「絶望」ほどたちの悪いものはございませんね。そしてその「絶望」の中からラグがどう立ち上がって行くのかがこれからの見所になると思うのですが、さて残す話数でそこまで描き切れるのかどうか。
中盤におきまして色々と方向転換が図られ、ガラードとバレンタインの役割なども変更(?)された訳ですが、ここ数回はそれ以外の大きな変更もなく淡々と進行しております。
「會川先生!」とか期待しまくった者といたしましては拍子抜けしているのですが、どう転んでもこのペースで進んでは「完結」に至らないと思いますので、どこかで大転換がおきると期待しているのですが…。
お話。
「消えた心は戻らない」とはなんとも救いのない設定でございます。あのゲボマズスープを美味しそうに食していても(笑)、ここにいるゴーシュはゴーシュではない。それはラグの記憶の中にしか存在しないゴーシュなのだと。
世界を救うといった大それた望みを持っているのではなく、お互いの顔を見て笑いながら生きて行く、たったそれだけの望みも叶えることが出来ない世界、それがアンバーグラウンドだと、改めて思い知らさせてくれたエピソードでございました。
物語といたしましては、世界の謎や欺瞞にたいしてラグが挑むといった構図が分かりやすいと思うのではございますが、中々そこまで行きません。その辺が好みでもあり、焦れったい部分でもあるのですが。