テガミバチ REVERSE 第十二話『光、闇を照らす』

ラグがノワールと対峙している中、カベルネとの戦いで苦戦するザジ。さらに鎧虫ラオラオの大群がやってきてラグたちは窮地に。その時ニッチがやって来た、というお話。
今週も會川先生の脚本。原作ではこのエピソードではラオラオは登場せず、従いましてニッチ姉の元で養生していたニッチもその時までお休みしておりまして、ラグとザジはそれぞれが単独でカベルネノワールに抵抗するお話でございましたが、それですとガラードとバレンタインの登場もなくなって…、と色々改変後の物語の「きしみ」を生じさせかなないところでございます。
が、さすが會川先生はこのストーリーの改変が成功しているですとか失敗しているといった事は別問題といたしまして、細かいエピソードをパッチワークのように繋ぎあわせて無理のないように仕立て上げておりました。
原作を先行して読んでいる身といたしましては、知っている風景を見ているのに、全く未知の風景を眺めているような感覚は一粒で二度美味しいので、全力で會川先生を応援いたします(笑)
ラグがノワールに心弾を撃ち込んでノワールではなくゴーシュとしてカベルネに一矢報いる場面などは、このエピソードの見せ場であったと思うのですが、以前から書いてきた通り、本作の特徴でございます淡白な描写で終始。
本作の物語は壮大ではありますが、そこに生きる人の楽しさ、辛さ、喜び、悲しみといったミニマムな視点から全体を眺めさせるという仕掛けになっていると考えております。
でありますので、ひとつひとつの出来事はとても重要でございましょうし、そこを多少大げさでもかまわないのでアニメならではの表現で見せていただきたいですし、そうする事でラグたちの感情の揺れを視聴者に伝えることが出来るんじゃないかと。
まあこの辺も後半戦で會川先生に期待するところでございます。…まだ「先生の本気」じゃないでしょうから(笑)