心霊探偵八雲 File02 『白狐の祟り』

うん、基本的には実に好みのアニメではございますが、そうであればあるほど不満も募るものなのかもしれません。
今回は前回の続きが少々と、八雲の実家で晴香と叔父の一心が出会うエピソード、そして二つの稲荷神社にまつわる悲しい恋のお話が描かれていたのですが、25分にこれ全部はいくらなんでも詰め込み過ぎではないでしょうか?
アニメに限った事ではないのですが、決められた時間に放送内容を合わせるという形態はどうしても積み残しがあるように思えてしまいます。中にはスカスカの番組もあるのですが…。
ある程度原作の「尺」があれば前後編として処理できるでしょうが、前後編にするには短くて、一本にまとめるには長すぎる原作の場合25分じゃなくて30分とか35分とかで処理出来ないものかと考えてしまいます。
まあこれが現実的ではないことは百も承知なのですが、今回のように単独のエピソードが魅力的に見えますと、もう少しだけ膨らませ・丁寧に・じっくりと(笑)描いていただきたいなぁと思ってしまうのでございます。
本編の二つの稲荷神社のエピソードなんて、これだけで見てしまいますと実にありふれたエピソードにしか見えないのですが、何故二人は出会えなかったのか、何故神社をひとつにしようとしていたのかなど、ミステリー仕立てで面白いお話になりそうなのですがねぇ。
ひとつひとつのエピソードを大切に扱ってこそ全体の物語に深みも出ると考えるのですが、八雲や晴香だけに焦点を当てた作りになりますと、個々のエピソードはどうしても疎かに扱われているように見えてしまうのでございます。
この作品はじっくりと腰を据えて作ってこそ。そういう作品のような気がいたしております。