ストライクウィッチーズ2 第12話(終)『天空(そら)より永遠に』

ネウロイに突撃し停止した大和を再起動すべく坂本少佐はひとり大和へ。命を懸けた作戦は成功したかに見えたが、復活したネウロイは美緒の魔法力を使い防御シールドを使い始めた。絶望的な状況に追い込まれた時、芳佳は己の限界を超えて美緒の元へ駆けつける決心をするのだった、というお話でした。
先週書いた通りの大団円でございました。奇を衒うことなく、王道。お見事でございます。
魔法力を失った芳佳がみんなを救えたのだから後悔していないという言葉が強がりではなく本心である証に、第一話で魔法力でめじろを治療した場面と対になるよう人の力だけでめじろを治し大空へ帰してあげたラストシーンを用意。「ベタ」ではございますが「ツボ」を押さえた素敵な演出だと思いました。
さらに芳佳を追って他のウィッチたちが参戦した最後の場面は本当に楽しゅうございました(笑) 皆の気持ちがひとつになる。そこに至る過程がキッチリと描かれていたからこそこのカタルシスが得られる訳で、逆に考えれば途中がしっかりしていなければ得られなかったものでございましょう。
始めから12話と決まっていたのでしょうが、その短い時間に描けること、描いておかなければならないことだけに傾注し、視聴者が望む結末に向けて構成したスタッフのお仕事は「プロ」のそれでございました。
ただ、あの空中戦はもう少し長く見たかった。各キャラの戦いぶりをもう少しだけ。…人の欲望にはキリがありませんねぇ(笑)
さて、もっと「尺」があったならと考えてもみましたが、本作が良いのは「501」の面々だけを描いた事だったと考えておりますし、もちろんこのスタッフですから、長くなったらなったで如何様にも作ることは出来るでしょうが、引き換えにこの「スピード」と「まとまり」はなかったでしょうからこれで良かったのでしょうねぇ。
美緒と芳佳は魔力を失ってしまったのでもう復活はないのでしょうが(あれば嬉しいですが)、どうやらネウロイはあれが最後という訳でもなさそうですし、世界を「501」だけで救えるというお話にしておりませんでしたので、最後に登場した第31飛行隊のマルセイユですとか、第一話冒頭に登場したっきりで放置されていた(笑)第504統合戦闘航空団(ということは「502」「503」もあるのでしょうから)の活躍も見てみたい(笑)
最後に。今回のエピソードで
「奇跡は起きます、起こしてみせます!」
というあの名セリフが引用されておりましたら、おっさん画面のこちら側でもっと狂喜したのですがねぇ、残念(笑)
1946年7月、ベネチアロマーニャ上空のネウロイに対する戦いは第501統合戦闘航空団の活躍を持って完全勝利で終結した。…良い終わり方でございました。初監督の高村和宏さんをはじめとするスタッフ各位の奮闘に感謝。