ゼーガペイン #18『偽りの傷、痛みは枯れて』

シンによってデータは回復したが、サーバ内では感情を取り戻せないリョーコ。そしてリセットされた世界で同じ事を繰り返すことに耐えられなくなったキョウはやり場のない感情を爆発させるのだった、というお話でした。
これから何が起きるのか、どう反応すればいいのかが予め分かっている「ゲーム」をすることほど退屈なことはありませんが、キョウがしなければならないことはそれと同じでございます。
しかも他の「意識」はそれを知らない(覚えていない)訳でございますから、これほど辛いお話は…。何度も書きますがまさに「地獄」そのものでございましょう。
一方アルティールの中だけでしか「感情」を持ったリョーコと会えない辛さ。キョウの救いがリョーコとの語らいだったといたしますと、それすらも奪われてしまっている訳です。…スタッフは「ドS」でございます。
「人とはなにか」「生きているとはどういう状態を指すのか」「感情が失われても人と言えるのか」等々様々な哲学的な問題を抱えております本作ですが、これは「ロボットアニメ」を作り続けてきた「サンライズ」のなせる業というものでございますね。
ただ、こうしたテーマを「ロボットアニメ」というジャンルで作らなければならないのも「サンライズ」故の辛いところなのかもしれません。
と言いますのも、この作品に「ロボット」が登場する必然性が余り感じられなかったからでございますが、そういえばリョーコが感情を持った状態でいられるのがその「ロボット」の中だけという最近のエピソードを観ておりますと、「ロボット」も必要だったかな?と変節してしまいましたが(笑)
ですが本作の中心はあくまで「人」でございますので…、いやいやまだ8話も残しているこの段階で「決めつけ」はやめておきます。だって色々裏切ってきて下さった本作ですので、まだまだ「予想外」の事はあるのでしょうから。
現段階での私の気持ちといたしましては、人類が滅んだとしてもキョウたちの魂が救われて欲しい、ただそれだけでございます。