刀語 第七話『悪刀・鐚』

タイトルの「鐚」は「びた」と読むそうです。…知らんがな(笑) でもMSIME2010は優秀で変換候補に出てまいりますなぁ。
さて、夏の暑さで参っている頭には些か辛い内容でございました。内容もさることながら語られている事が難解(単に私の理解能力不足なのですが)中々頭の中に入って来ないのです。ということで、いつも以上に咀嚼できていない内容の感想でございます。
お話は七実と七花の姉弟対決でございまして、これはある意味で必然の対決でございますから問題はございません。
ただ七実の実力や虚刀流の秘密…、とがめとの絡みも含めてなのですが、もう少し後と申しますか七花ととがめにとって最後の壁なのかと考えておりましたので、この段階での七実の退場は意外でございました。
1.
姉弟の対決に至るまでの緊迫感と申しますか緊張感が尋常ではありませんでした。七実の感情を表に出さずに目の前の敵を殺して行く様をあらかじめ見せておくことで、七実の前ではとがめの命は風前の灯であることをこちら側へ伝えておいて、常に一触即発の空気を醸成しておりました。
他の作品であればそんなことは感じないのですが、何せホレ、4話の「錆白兵」の例がございまして、この作者がこちらの「常識」というものを嘲笑っておりますので油断など出来ようはずもないのですよ(笑)
この段階でとがめが死ぬことなどないと断言できない恐ろしさ(笑) シリーズの積み重ねって大事ですよね。さらに書きますと七花が退場する可能性がないとも言えませんでしたし。怖いなぁ(笑)
お話の作りはこうした効果もあって、目を離せないもので大満足でございました。
2.
で、今回一番分からなかった事は「七実は何故死にたかったのか?」という事でございます。
強さの代償として生命力が弱く長生きはできない。しかし長生きしようとすれば弱くなってしまう。それは虚刀流最強を自負していた七実にとって受け入れることができなかった。
と同時に、最強であるが故に生きることに倦んだという解釈もあるでしょうし、う〜ん、中々腑に落ちてまいりません、困った。
他にも「刀が刀を使おうとすると、こうなってしまうのか」「虚刀流は刀を使わない流派などではない。決して刀を使えない流派なのだ」とか、色々。
これは文字通りの解釈でいいのか、言葉の向こう側を読み取らなければならないのか、錆びついた頭で判断するのはとても難しいです…。
これらはこの回だけで判断するのではなく、終わりまで行ってこの言葉の意味が初めて分かるような気がいたします、というかそういう事にしておきます(笑)
3.
番組開始当初は、直前まで放送されていた「化物語」の印象が強くて、言葉の洪水を楽しむ作品なのだと感じたものですが、そう思わせておいて実は極めて真っ当なドラマが用意された作品でございます。
今回は七実と七花の悲しいドラマだけを観ていれば良いのかもしれませんし、事実それだけでも十分楽しませていただきました。
それだけに、語られた内容を十分に理解できなかったことは、作者に失礼だったと反省。…、いやそれはこの作品に止まる問題ではないのですが(笑)
ED後のラストカットで幼いころの七実と七花のシーンが一層の哀れさを誘います。姉を信頼して眠る七花と、それを優しく見つめる七実。平凡な家に生まれていたら…、でも時は戦国でございますから平凡では生きていられなかったかもしれませんし、う〜ん、このカットの意味もなぁ(笑)
今回は(私の)消化不良でございました。みんな暑さが悪いのです(笑)