さらい屋五葉 第六話『幸せと思えよ』

仙吉が伝七を殺めたお話。
登場する人物の過去が次第に明らかになります。皆、人に言えない過去を抱えながらも平穏に(悪事は働いているのですが)暮したいだけなのに。
先週「悪事から足を洗いたくともどこまでもそれが追いかけてくる」と書きましたが、う〜ん、「悪事」でなくとも人は何かに追われながら生きていくしかないのかもしれません。
そこを超越できたなら、つまり「しがらみ」というものから自由になれるのならば、世の中の暮らしはなんと素敵なことでしょう。
でもそれは同時に人との係わりもなくしてしまうことで、悪事で繋がりながらも肩を寄せ合いささやかな幸せを噛み締める事も出来なくなってしまう訳で、難しいところでございます。
政之助がキーキャラなのは、こうした過去を持つ人々と一線を画しているからなのか、それとも「思ったことを口にしてしまう」天然要素なのか、あるいはまだ悪に染まっていない彼に他の登場人物たちが惹かれているからなのでしょうか?
お話は静かに進行いたします。