迷い猫オーバーラン 第9話『迷い猫、泳いだ』

今週の責任者は「平田・PEACE MAKER鐵・智浩」さん。
とは申しましても前回や前々回、あるいは大地回のようなある種の歪(いびつ)な作りではなく、本作本来の持ち味であろう巧と三匹の迷い猫の順当なお話を真っ当に描いておりましたので、監督の特殊性はございませんでした。
作品としての評価より「監督の手腕」の方が興味の対象というのも何か違うとは思いますが、こうして当たり前の安定した作りを観せられますと、ある意味平田さんは貧乏くじを引いたような気がしないでもありません(笑「毒」の方が印象は強いですからねぇ。
まあ、何が「本来」なのか既に分からなくなってはいるのですが(笑) あの異常とも思える作り方でシリーズを乗り切るとしたらそれはそれで評価できますが、原作ファンが許してくれないでしょうし。・・・既に許してないか(笑)
自身の事をほとんど語らない希の願いを叶えてあげようと海水浴へ行くお話。もちろん希は海水浴へ行きたかったのではなく、楽しげに遊ぶ人々を観て自分も皆と楽しみたいという事でございますが、諸般の事情で水着回=海水浴ですね(笑)
で、いつも思うのですが「海へ行く」「水着を着せる」という諸般の事情が優先されてしまい、お話に「海辺」である必然がないのが残念でございます。
今回巧と文乃が浜辺の小屋で二人きりという状況がございましたが、これなんか「スキーに来て」「吹雪で足止め」「山小屋で二人きり」でも何の問題もございませんし、(実際それは4話で似たような事をしておりましたし)違いは水着くらいですしね。
「爽やかなお色気」は好きですから「水着回」を否定はいたしませんが、もうそろそろ舞台設定をしたらその舞台である必然のある脚本を書くことが必要な時期にきているのではないかと。別にこの作品に限った事ではございませんが。
今回のお話は「希の願い」から出発しておりましたので、最後は「希の破顔一笑」で締めくくった方が収まりは良かったように思えました。もっともAパートとBパートは別物だとしたらこれは全く見当外れな感想ではございますが。