閃光のナイトレイド 第6話『乱階の夜』

右翼の大物老人が上海に現れ、アジア各国の独立運動家の力を集結しようと会議を開こうとする。情報を収集しようとうごいていた桜井機関だったが葵は捕らえられてしまう。開催された会議に雪菜の兄・高千穂が現れて、というお話でした。
今回のお話を視聴して、この作品に足りないものに気が付きました。多分「人の醜さ」だと思います。
理想や大儀は観ていてとても心地良いのですが、それだけで物語を進めると「奥行き」が足りなくて喰い足りなくなってしまいます。とくに本作のような「史実」が下敷きになっている作品の場合、その史実にどのようなものを加えるかが作品の「値打」に繋がると思っております。
本作のように「エスピオナージ」の視点から物語を構築しているのですから、そこに一番相応しいのは「愚かしい人間の営み」であり、「醜くも弱い人の性」かと。人の本当の姿を垣間見るスパイ(?)だからこそ、そういう描写に説得力が増すような気がするのでございます。
前回の「西尾」の時にはその辺が上手く処理(と申しましても「最低限」なのですが)されていたのですが、今回はその「空気」がございませんでしたので不満だった、と。
これから戦争に突入する時代を背景にしているのですから、その「空気」を大切にしていただきたいなぁと思うのですが、そう書いている矢先に次回の「事変」は別の「空気」を読んでネット配信だけですか。なんだかなぁ・・・。