閃光のナイトレイド 第2話『回想のロンド』

独立したエピソードを積み重ねながら、登場人物たちの過去や生き方を描くのかと思っておりましたら、苑樹雪菜の兄・たかちほいさお大尉と消えた関東軍部隊がメインのお話になりそうです。兄妹なのに姓が違う理由はなんでしょう。伏線?
さて今回の桜井機関の任務は、ユダヤ人ヴァイオリニスト・クライネフの身辺調査と極秘情報の受け渡しの阻止というもの。音声を使って暗号を伝えるという方法は実際に使われた手法ですが、音楽の中に隠すという方法は・・・、あったかな? ですが面白いやり方でしたのでそこは頑張ったと思います。
問題は「抜群の記憶力」を持つクライネフという設定があまり活かされていたように見えなかったところと、今回の事件が本作のメインストーリーに大きく関わっているのでしたら、暗号の受け渡しに桜井機関のエージェントと同等の能力を持った人物が現れた方が・・・、後ろの部分は終わってみないと判断できませんので保留いたします。
エージェントひとりひとりの過去を断片的に挿入するやり方も洗練さと言う点ではもうひとつでしょうか。こういった人物描写で私が一番買っている作品は「カウボーイ・ビバップ」でして、あの作品は直接的に個人を描いているようで実は何も描いてはおらず、しかし視聴者が勝手に判断するには十分な情報が描かれておりまして、見事としか書きようがありません。
なにも事細かに描写する必要はありませんし、でも描くのだったら小出しにするのではなく全体が見えるように描いて頂きたいものでございます。毎回「匂わせるだけ」ですと欲求不満になりそうで(笑)
それと前回の感想の時書いた事ですが、時代設定からすると「超能力」という特殊能力にはやはり違和感を感じてしまいました。
今回能力を発揮した場面、葵が拳銃の弾を弾き返したり、葛がクライネフの部屋へテレポートする場面ですが、別に超能力設定でなくとも構わない、と申しますかむしろ「忍者」設定の方が合っていたように思えました。
・・・言い方が違うだけですかね(笑) それに山田風太郎的忍者ですと作品世界を壊してしまうかもしれませんが、超能力者を登場させた時点で「逃げ道」を用意した訳ですから、う〜ん。ただこれも今後の展開で「超能力者でならなかった理由」が語られるといけませんので保留。
最後は、折角この時代を選択して物語を作っているのですから「時代から来る重苦しい雰囲気」というものをもう少し作品に反映させて欲しいのですが、これもまだ二話しか消化しておりませんので今後に期待するということで保留。
以上、保留ばかりの感想でした。