GIANT KILLING #01

番組タイトルの意味は「大物食い」ですが、天皇杯でJ2のチームがJ1のチームに勝ったとしても使いません、多分。日本サッカー界ですと、上と下のチームが置かれた階級の違いに「超えられない壁」というものを余り感じなくてませんからねぇ。
それはともかく、スポーツを描くとはすなわち人を描く事であり、各スポーツそれ自体が持つ競技描写も大事ですが、もっと大事な事はその行間ではないかと。・・・分かったようなことを書いておりますが、書いてる本人が一番分かっていないかも(笑)
色々なスポーツがアニメになりましたが、多分サッカーが一番アニメに、いや映像作品としても向いていないんじゃないかと思っております。フィクションの、という注釈は付きますが。
例えば1974年の西ドイツワールドカップ決勝ですとか、1982年スペインワールドカップ準決勝での西ドイツ対フランスのデスマッチなど、私のような薄いサッカーファンでも知っているような試合を観てしまいますと、ノンフィクションの持つ力に対抗するフィクションをこの競技ではまだ持っていないと思います。・・・観ていないだけなのですが、そもそも観たいと思わせてくれませんからねぇ。
脇道に逸れるのですが、映画「勝利への脱出」という、巨匠ジョン・ヒューストンが撮ったある意味でキワモノの映画がございまして、この作品などは行間云々よりもサッカーの試合シーンだけは実に素晴らしい。
この映画は映画館の大スクリーンでしかその素晴らしさは実感できませんが、最近はテレビもワイドになりましたのでもしかするとテレビ放送の時両サイドがカットされまくって意味不明なシーンだったところが緩和されているかもしれません。
え〜と、なんのお話だったっけ?そうそう、サッカーは映像に向いていないかも?というお話でした。
「プレー外」であればそんなに他のスポーツと違いがあるとは思えませんが、「プレーパート」を描かないのでしたらスポーツを素材に選んだ理由がありません。当たり前ですが。
多分一番重要なものは「間」だと思います。ドラマはその「間」に存在するのですから。野球はこの「間」を取り易いようで、それはこの競技が「静」と「動」が同時に行われないからでしょう。試合時間の中で実際にボールが動いている時間なんて三分の一もなさそうですから、ね。
「動」のために「静」があり、「静」があるから「動」が活きてくる。その切り替わりにドラマですとか心理描写を挟みこむ事は可能ですし、実際野球ものはその辺のスタイルが確立しているように見えますからね。
静止している時間が物凄く短いサッカーってそこがとても不利かと思うのですが、そこをなんとかするのが才能でしょうし、もうそろそろ新しい切り口で楽しめるサッカーアニメを見せてくれる方が現れる事を期待したいと思います。
作品の感想を全然書いていませんでしたね(笑)
監督視点というのはサッカーアニメとしては新しいですが、映像作品としては特に目新しいものではなく。展開も正統派といった感じでしたが、これはこれでワクワクする部分がありましたので好感、と。
クセのあるキャラデではございますが、これも数回観れば慣れることと思います。問題のプレーシーンは今回ございませんでしたので保留。どういう「見せ方」をして下さるのか、期待して待つ事にいたします。