とある科学の超電磁砲<レールガン>第24話(終)『Dear My Friends』

冒頭 木原による実験でテレスティーナも実験材料だったということを見せておいて、彼女がこれまで辿った道、どうして歪んでしまったのかを視聴者に悟らせます。何万語を費やした文章より一枚の絵の説得力でしょうか、様々な事を想像さてくれる凝縮された良いシーンでした。
OPなしで始まる本編開始早々メンバー集合のシーンと、そこから不遇(笑)キャラ・婚后光子の本作唯一の見せ場と黒子の本領発揮のアクションシーン。さらに高速道路上での美琴とテレスティーナの対決シーン。いや〜、なんだかんだ言いましてもやはり動いているアニメは楽しいですし、気持ちが良いです。
美琴の要請で駆けつける黒子とのコンビネーションでテレスティーナを撃退したところが「MAX」で、さすが「お姉さまのパートナー」を自認するだけのことはございましたし、それをまたも「絵」で見せて下さいました。ここまでのシークエンスでお腹一杯、エンドクレジットが出たとしても文句は言わなかったでしょう(笑)
中盤 攫われた子供たちの元へ駆けつけ春上とも再会した初春たちを再びテレスティーナが襲う(笑) 悪役としては至極真っ当な行動で、こうでなくてはいけません。しかもキャパシティダウンのおまけ付きで、あっという間に形勢逆転。ここで佐天の存在が活きて来ました。
「いいな」と思うのは、たとえ「レベル5」の美琴であっても無敵ではなく、「レベル0」の佐天であっても皆を救う力はあるという描写でございます。本作は一貫して「人にはそれぞれ存在する意味がある」と語ってまいりました。その集大成がこの場面で最大限に活かされた事が嬉しくてなりませんでした。
そして佐天を促す初春の機転。前回までの初春であればオロオロするだけか、泣きじゃくるだけだったかもしれませんが、黒子に気合を入れられた後の彼女はもう以前の初春ではない、彼女もまた成長しているのだと見せてくれました。上手いなぁ。
そしてこの作品が「インデックス」の外伝であることを思い出させてくれる説教タイム(笑) しかし上条ちゃんより簡潔で分かりやすいので私は好感を持ちましたが、物足りなかった方もいることでしょう。この辺は好みの別れるところなんだろうなと思ったり、思わなかったり(笑)
終盤 子供たちは救われ、そしてそれは同時に木山も救われ、と。「クマ」の消えた木山の表情でここも表現。「インデックス」の時は「何でも台詞で語ろうとする」と不満を書いたような気がいたしますが、「レールガン」では最低限に止めているような印象で、これはスタッフが原作者のリズムを体得したためなのか、それとも「メディアの違い」を意識してカスタマイズしたためなのか。まあ門外漢には分かりかねますが、こちらの方が私は好きでした。