鋼の錬金術師 第48話『地下道の誓い』

「・・・となれば諸君らが守る命令はただひとつ、・・・死ぬな!」
 死地に赴くに当たって拠り所とすべきものは覚悟。その覚悟があるかどうかの僅かな差こそ生死を隔てるのだ。・・・格好良いです、惚れる(笑)
 死を覚悟しない者は目的も果たせず確実に死に、死を覚悟した者は目的を達せる事が出来てもその先はなく、生き抜くことを誓った者こそ死地をくぐり抜け、その先へ辿り着く資格を有する。・・・ま、全員無事とは行かないのでしょうが。
 AF(日本では「アドベンチャー・フィクション」と訳されておりますが)の基本をきっちりと押さえている作風に、ある年代(AFブームがあったのですよ)を生きた者といたしましては懐かしさと共に感激も新たにしております。
 さて、先週「合掌」と書いた「ハインケル」さんですが、間一髪で死地脱出。うむ、やはり覚悟をしていた分延命できたということでございましょう(強引ですな)。そしてグラトニーはプライドの栄養(笑)となって退場。
 人間側(キメラもおりますが)が自分たちの出来る事出来ない事を認識して協調して戦っているのに対して、「己」のことしか考えず「仲間」すら踏み台にしてしまうホムンクルスの対比が面白かったです。
 冷静に考えてプライドとグラトニーが協力する、あるいは一時撤退という選択があって然るべきなのでしょうが、そうはしない。それこそがホムンクルスの強さであり弱さの現われなのでしょう。
 協調できないホムンクルスには「人」の強さの根源、つまり「弱さを認める強さ」が永遠に分からず、故にホムンクルスは人を「打ち負かす」ことは出来ないのだと・・・、そう信じたい(笑)
 前々回から今回まで、作中の経過時間と実時間がほぼ同期状態で進行しております。それ自体に不満はないのですが、このペースで本当に最終回を無事迎える事ができるのか別の心配が。