鋼の錬金術師 第45話『約束の日』

 今回の感想は一言、シビレました(笑)、と。
 帰国途中のメイは国境でセントラルに引き返す事を決意。やはり心配した通りエンヴィーの口車に・・・、と思っておりましたが振り返った時のまなじりを決したような表情を見ればそれが間違いである事がすぐに分かりました。
 今ここにいる人を救いたい、だから今できる事を、自分にできる事をしよう。それがメイの決意。・・・泣けます(笑) 決してエンヴィーの口車に乗った訳ではありません。あとは他の皆のお役に立てることをお祈りするしかございません。
 グリリン(笑) 記憶さえも欲する強欲さ、それこそがグリードの真骨頂でしょう。そして「世界の王」という宣言も何故か清々しい響きを感じました。「野心を持つなら中途半端なことで満足するな」という忠告は、リンとグリードの間に絆ができた瞬間のような気がいたしましたが、勘違いでしょうか(笑)
 そんなグリリン(笑)の手下になることを告げるエド。目的のためなら泥水を啜っても構わない。小さなプライドよりも優先すべきものを見定める。成長したエドを見せてくれました。格好良いぞ!
 そして最終決戦に向かって身辺を綺麗にしようとするオリヴィエと、訳も聞かずに旅立つアームストロング家の人々。あの親爺が何も知らない訳がありませんし(少なくともオリヴィエの母親は)、娘のただならぬ雰囲気を察し、荷物にならないように身を隠したのでしょう。そうした事情を台詞にしない演出にもシビレました。
 さらにさらに、北と東と中央を繋ぐ連絡網。「通りすがりの主婦」「グラマン」「リザ」「ハボック」「マスタング」と、伝播して行く「約束の日」の情報。各人の思惑は決して同じではないが、倒すべきものは同じ。そうしたバラバラの意志がひとつになって行く瞬間が大好きでございます(笑)
 各人が一同に会して決意を表明するという展開も楽しいのですが、それぞれがバラバラの場所にいるからこその高揚感でしょう。これを最初から計算していて各人を遠く離れさせていたとすると、創作者の深謀遠慮というものは凡人の考えなど及ぶものではないと感服。・・・そこまで考えていなかったといたしましても、離れたことを最大限に利用しているのですからこれも同様でございます。
 これでアルやスカーも登場させてくれていたら、と思っておりましたらEDでその他のキャラも登場させてくれる親切設計(笑)。お見事でございます。さらにED後のCパートで情報が書かれた紙を燃やすマスタングが描かれ、ここで今回のタイトル「約束の日」が映しだされました。
シビレました、本当に格好良い!!
 今回は冒頭部のグリード対ブラッドレイの作画で目を奪われ、最後は演出で見せてくれると言う本当に楽しいエピソードでございました。ですが来週のタイトル「迫る影」は不吉なタイトルですねぇ。まだまだ紆余曲折がありそうでございます。