テガミバチ 第十八話『テガミバト』

 ある日ラグ・ザジ・コナーが「ハチノス」に戻ると、そこには「テガミバト」と名乗る白装束の三人組ローズ・ブリトー・マックが待っていた。彼らはテガミバチに挑戦するためやって来たのだった、というお話でした。
 「迂回ルート」に突入しておりますが、本作の原作は月刊誌連載で、仮に直通ルートを通っていれば今頃原作のストックは使い果たしていたでしょうからこれ自体には問題はございません。
 それに本作の場合、「テガミバチ」のお仕事や「テガミ」そのもののお話、「Bee」とディンゴのつながりといった原作の根幹に触れなくともお話を作れる自由度が高い作品のように見えますから、そこら辺を上手く処理していただけますと宜しいかと思うのですが・・・。
 まあ私も初心(うぶ)ではございませんから、脚本家の方々がフリーハンドで書いているなどとは考えておりませんが、もう少しだけ頑張って頂きたいと考えるのは許していただけますよね?
 ひとつは「テガミバチ」と「テガミバト」のレースが始まった直後、コナーが馬の前ににんじんをぶら下げるところがございましたが、そのすぐ後でその行為自体が無駄であるシーンがありましたのでコナーのにんじん作戦には意味がありませんでした。
 次にレース中「テガミバト」が「テガミバチ」の馬車に対して物理的・直接的な妨害工作に及ぶ場面があったのですが、確かに作品の盛り上がりとしては「アリ」だったかもしれません。ですがこの「テガミバト」の連中は決して悪人でも卑劣な人間でもありませんから、ああした行為を当たり前のように描いてしまう事はキャラに対して愛情の不足を感じてしまいました。
 本作において「迂回ルート」は、原作では(時間的に)描けない世界を補完するように魅力的に描いて見せることが可能でしょうし、スタッフ各位もそうしようと努力なさっているとは思うのですが、まだまだキャラクターや設定、本作の世界を活かしきっているとまでは・・・。
 次週は「テガミバチ・ガールズ」が活躍するお話らしいので期待して待ちたいと思います。