刀語 第一話『絶刀・鉋』

 月一回一時間で一年間続ける変則放送形態ですが、いつまでも同じようなことをしていても仕方がないと製作側が考えて、こういう放送形態にしたならば断然支持いたします。で、将来的には同じ作りの作品を四本集めていただければ同じ枠で違った作品を毎週視聴できる、と。
 もっとも一番切実な「お金」お問題がクリアできなければ画餅でございましょうか。単純に考えても月一回しか入金がないといたしますと、制作費が通常の四倍でなければ制作会社がゴンゾっちゃうでしょうし、実際は四倍も貰える訳がないでしょうし。・・・時間的には二倍くらいでしょうか。
 下世話なお話はこれくらいにして(笑) 12本の変体刀を1エピソードに1本ずつ回収して12話で完結という構成は、この放送形態にぴったりで(逆なのかな?)好感。今回は初回ということもあって状況説明、キャラ紹介など色々説明しなければならないことも多かったために、エピソード単体としてはあっさりとした印象でしたが、初回に色々詰め込まれても消化不良を起してしまう恐れもございますから導入部としてはこれくらいの方が観易くありがたかったでしょうか。
 原作者は「化物語」と同じ西尾維新さん。「化物語」との相違はナレーション(池田昌子さんおお声は相変わらずお美しい)の使用と台詞の量が押さえ気味というところでしょうか。「化物語り」でもナレーションはあったのですが、あの作品では主人公のモノローグという形態をとっていたのに対し、今回は純粋に第三者視点のナレーションでした。
 で、それがどういう影響を及ぼしていたかと申しますと・・・。そういう事を考察する頭は持ち合わせておりません!(笑) 持ち合わせてはおりませんが、ない頭で考えてみる。「化」は会話のキャッチボールの予備動作としてモノローグが存在し、実際は途切れている会話があたかも連続していたような錯覚を感じさせる効果があり、一方「刀」では・・・ダメだ(笑) まだ全然消化できておりませんからこの件はしっかり咀嚼してからということで。
 台詞の量は相変わらず多いのですが、今回はひとつひとつの言葉が軽い・・・、「軽やか」の方が適切かな? それと意味のない言葉は少なく、数少ない意味のない言葉は本当に意味がなく。・・・何を書いているのか自分でも分からなくなってきた。例として「ダンディ2」における「広川太一郎語」に近いと書いても、分かってくれる人は少ないんだろうなぁ(笑) そんな感じです。
 会話の掛け合いはまだリズムが悪い・・・、と言うほど悪くはないんですよ。ただ「化」の奇跡的なリズムを見せられた後ですから、どうしてもそう感じてしまいます。内容も表現も違う作品で比較してしまうのはいけないことだとは承知しているのですが、それも期待の裏返しということで。
 次回までの一ヶ月が長いです。