とある科学の超電磁砲<レールガン>第16話『学園都市』

 「スキルアウト編」は一応の決着。一応と書いたのは不良グループでしかない「ビッグスパイダー」に「キャパシティダウン」や武器を提供した、このエピソードに登場しなかった何者かとの絡みがなかったからでございます。こちらこそが後半戦の敵となるのでしょう。
 本作の場合「主人公は狂言回し」という作りのようで、いやいや主役を張ったエピソードの方が多いでしょ?という疑問もあろうかとは存じますが、物語といたしましてはそうなのですが、作品といたしますと美琴は今のところ(私にとっては)狂言回しでしかありません。
 今回のエピソードは「固法」のエピソードでございましたし、前半の「レベルアッパー編」では「佐天」が主役のエピソードでございました。どこからが原作付きでどこからがオリジナルなのかは分かりませんが、主人公である美琴の内面まで踏み込んだお話をオリジナルで作ってしまうのは僭越だと、制作スタッフが自重してこうした「脇役」に想いを託すのはよくある事(かなぁ・・・)で、それは良い見識だと思います。
 で、監督が描きたかったのは「青春の蹉跌と再生」でしょうかしら?迷いや戸惑い、試行と失敗。過去に悩むというのはキャラの若さからいたしますと若干違和感がありますが、キャラが監督たちの投影とすれば当然かも(笑) 「若いうちは悩み苦しめ」というありがたいメッセージのような気がいたします。
 居場所がないからそこから逃げ出すのではない。居場所を求めて「自分探し」なんかしても仕方がない。「居場所」も「自分」も自らで作り上げるもの。「居場所ってのは、自分が自分でいられる所を言うんだよ」という黒妻の台詞を聞いておりまして、そんなことを考えてしまいました。・・・おっさんにはもう遅いんですけどね(笑)