鋼の錬金術師 第41話『奈落』

 「誰も傷つけたくない」という決意を貫き通そうとすれば、時として己の命をも賭けなければならない、という事を提示したエピソード。カッコいい。
 これも広義において「等価交換」でございまして、本作はキャラの行動の隅々まで首尾一貫してこの原則が守られております。ただし、「何かを得るためには何かを犠牲にしなければならない」という台詞は必ずしも真実とは考えておりません。
 「何かを犠牲にして得たものの大小は誰にも計れない」訳でございまして、「賭ける価値」があるのなら「得るもの」などはどーでもいいというのが真理かと。エドの生き様とはそういうものだと思っております。
 そして傷ついた身体を治すために使った錬金術は「一は全、全は一」の理の応用でしょうか。本当の不老不死などは存在しえず、ただ己の命の輝きをもって「今」生きることに全力を尽くす。・・・、と見えたんですよ(笑)
 キンブリーに「甘い」と言われながらも、その甘さのためなら傷つく事も、あるいは「死」すらも覚悟をするエドだから、キンブリーやホムンクルスたちは決して得ることのできない「人」が集まってくるのだ、そしてそれこそがこの世の真理「ひとりでは生きて往けない」に辿り着く道なのではないかと、画面のこちらで胸を熱くしておりました(笑) ・・・深読みってレベルを通り越してもはや妄想でございますよ。
 さて、人を得る事で窮地を脱したり、ひとりでは解き明かせない謎に近づいたエドたちの反撃が始まりそうです。燃えてまいりました!!