鋼の錬金術師 第40話『フラスコの中の小人(ホムンクルス)』

  かつて隆盛を誇った王国「クセルクセス」の一室で「奴隷23号」の血から生み出された「ホムンクルス」。その目的はクセルクセス王の不老不死を達成させるために知識を得る事だった。ホムンクルスから「ヴァン・ホーエンハイム」と名前と知識を貰った23号はその王国の終焉を見せられ、己の肉体自体が「賢者の石」となったことを知らされるのだった、というお話でした。
 この一本を見れば「鋼の錬金術師」と言う作品の殆ど全ての「裏側」が分かるエピソード。数々の「謎」も氷解いたしました。何故ホーエンハイムと「お父様」が同じ姿なのか?ですとか、ホーエンハイムは何故歳をとらないのか?ですとか、色々。
 無邪気に見える「ホムンクルス」の悪魔の囁きによって自滅して行く人間たちの愚かしさ、望んでもいなかったのに不老不死になってしまったホーエンハイムの哀しさ。うん、この段階にこのエピソードという構成は「痒いところに手が届く」というものでございます。上手い。これによって現在進行中の「ホムンクルス」対「人間」の背骨が完成したと思います。
 とは申しましても全てが明らかになった訳ではなく。「お父様」の本当の目的は何なのか、これが最後の「謎」かもしれません。
 と同時に、若干おいてきぼり気味の「エルリック兄弟の旅」も気になります。彼らの目的は「失われた肉体の奪還」で、ホムンクルスとの対決が主たる目的ではありませんので、そこら辺ももう少し見せて頂きたいかなぁ、と。
 ともあれ、今回のエピソードである程度の整理整頓ができ、次週からは物語が大きく動きそうな予感がいたしました。待ち遠しいです。これでオリンピック特番なんか入った日にゃあ(笑)