テガミバチ 第十一話『嘘テガミ』

 シルベットにデカパンを洗濯されたニッチはシルベットのパンツを履くことになったのだが・・・
「だがこれはヘンテコウだ、ケツに挟まって股がピッてなる。だが忘れるなラグよ、ニッチにパンツを履かせられるのはお前だけだ。ラグのディンゴとしてニッチはピッてなったのだ(キリッ)」と(笑) ダイヤローグが楽しくて、藤村さんの喋り方が可愛いし、ニッチは本当に良いキャラでございます。
 さて、今回のお話は「嘘」のテガミを届けるという人情話でございました。新キャラ「モック・サリバン」のようにラグも「レターズ・スルー・ドア」に徹する事が出来ればいらない苦労を背負い込むこともないのでしょうが、それではお話が始まりませんので(笑)当然のようにラグは悩みながらテガミを届けるのでした。
 お話の内容は上記の通り「人情話」で、母親に心配を掛けたくない息子の嘘と、それと知りながらも息子を思いやる母親の絆をラグの心弾が繋ぐ「優しい嘘」の美しいエピソードなのですが、この段階でこのエピソードを持ってきた意図はなんでしょう。
 これは以前も書いた「ラグが運ぶのはテガミじゃない、心だ」を強調し、今回登場したモックに代表されるような「仕事としてのテガミバチ」との違いを浮彫りにしたかったのでしょう。ラグは彼らとは違うんだよ、だからラグはこの世界の閉塞したシステムと戦わなければならないのだよ、と。
 さて、ラグが運ぶのは「心」だけでしょうか?その答えを見つける旅をラグと共にできる幸せを感じております。