COBRA THE ANIMATION 第1話『シバの鍵』

 BS11で視聴。30年近く前の劇場版もその後作られたテレビ版も熱心な視聴者ではございませんでした。原作に惚れこんだから観たというわけではなく、「出崎統」監督と「杉野昭夫作監だから観たという原作者の「寺沢武一」さんには甚だ迷惑な観客だったかもしれません。
 ジャンプ連載当時からあの絵がどうしても好きになれず(これは寺沢さんを非難している訳ではございません。単純に好き嫌いの問題)、アニメになってあの「アク」が中和されてどうにか視聴できたのですが、あれはあれで原作の「味」を殺していたとも感じており、作品としては微妙な出来だったと今でも思っておりました。
 で、歳月が経って技術も進歩した今なら随分と違った作品になっているのではと思って視聴した訳でございますが・・・。
 なんと申しましょうか「30年前最先端・最高峰だった作画のアニメをリマスターしたような絵」と書けばいいのでしょうか。実に微妙。演出云々より絵柄の古さが気になって仕方がありませんでした。この作品の命は「絵」でしょうし、それは最近の傾向とは対極な「リアル指向」だと思うのですが、些か中途半端な印象は否めませんでした。いっそのこと全編CGで制作した方が原作ファンにもそうでない私のような視聴者も納得が行ったと思うのですが、どうなのでしょうか。
 原作者自信が全面的に関って制作しているようですから、ある程度は満足しているのかもしれませんが、ここでも「生存」の名台詞「メディアの違いを理解せよ!」が重く圧し掛かってくるような気がしてなりませんでした。
 出崎さんを外した理由は分からないので(なんとなくは邪推できます)なんとも書きようがございませんが、そうですね、「山内重保」さんですとか「谷口悟朗」さんなんかが面白かったように思ってしまいましたが、多分この場合寺沢さんのストレスは同じなんだろうなぁ(笑) それに「清水恵蔵」さんの手腕も確認する前にゴチャゴチャ書くのは止めておきます。
 ストーリー自体はまだ始まったばかりですからともかく、コブラ独特なキザな台詞が懐かしく楽しめましたが、同時に今時のファンに受け入れられるのか少し心配(笑) 声優さんの変更はさほど気にはなりませんでしたが、どうせ代えるならもっと若い声優さんに代えても良かったような気もいたしました。