「のだめ一気鑑賞

 結局「のだめ」を全部(とは申しましても所々記憶が飛んでおりますが)観てしまいました(笑) 「原作好き」の皆様がどのように評価されていたのかは分からないのですが(深夜の時間帯にもかかわらず視聴率が良かったようなので概ね評価はよかったのでしょう)、実に楽しいアニメーションでございました。
 一番良かったところは「音が見える」という視覚効果だったかと存じます。音楽アニメの一番の障害は演奏シーンの演出で、皆様ご苦労されているようですが本作はそこを飛び越えかけて(あくまでも未完成ではあると思いますが)いたところでしょう。ただこれに関して最近のアニメ(アレとかソレとか)は進化が著しいので「ひとくくり」にはできませんね。
 演奏部分のCGは一期から巴里編へと進化しておりましたし、2DとCGの繋ぎ目も滑らかとまではまいりませんでしたが苦労の跡が見られて、気にしなくても良いレベルだったかと。まあ、金と時間を掛けられる作品でしたら現状でももっとマシなものはあると存じますが、テレビアニメで毎週放送していたことを考えますと本当に、ね。
 ハーモニーの止め絵(今はこういう言い方はしないのかな?)の処理が上手く、動かすところと止めて「感じさせる」ところのバランスが絶妙でございました。もっとも監督さんにしてみれば「全部動かしたい!」「自由自在にカメラを動かしたい!」ところなんでしょうが、金も時間も(ry
 日本のテレビアニメは「金も時間も(優秀な)人手も足りない」ところを、知恵を絞ってそれらを補うところから(人によれば「歪な形」と仰るでしょうが)発展して来た訳ですし、結局50年近く経ってもそれは変わっていないようです。
 そうした環境があったから本作の監督「カサヰケンイチ」さん「今千秋」さんのような手錬れが出てきたのか、それともこんな環境で本来ならば登場していたはずの優秀な才能が我々の目の前に現れる事なく消えてしまっているのか。
 「のだめ」は音楽家という「才能」を描いた作品でしたが、そういう部分ではアニメ界と似ていると言えなくもないなぁ・・・などと、埒もないことを寝ぼけた頭で考えながら視聴完走いたしました。・・・一年の初めがこれでいいんだろうか(笑)