夏のあらし!〜春夏冬中〜第9話『淋しい熱帯魚』

 先週の感想を書いている最中感じていた違和感の正体が判明。そうだった、この作品の一番のテーマは少年と少女のたったひと夏の恋、それは当人同士がどうこう出来る問題ではなく、まさしく運命としか呼べないものに支配された恋だったということに気が付きました。
 このシリーズが前シリーズと同じく13話なのかそれとも12話なのか調べていないので分かりませんが(いい加減調べる癖をつけないといけませんね)、この終盤までそのことを失念していたことを恥じ入る。・・・ですが、ここに至るまであらしとはじめの切ない恋のエピソードを描いてくらなかったスタッフにも責任はあると思うんですよ(逆ギレですなぁ・・・)。
 例えば今回のOPに「猫目喫茶店の美人三姉妹」を持ってきたりするから、細かいギャグの方へ目が向いてしまうのは仕方のないことだと思うのですよ。今シリーズは最初からそうでしたし。・・・スタッフに責任はありませんね(笑) ひとえに視聴者の私の理解力不足でございます。
 今回の物語は、夏の間に恋を知りたいあらしに対してはじめが積極的にアプローチするが、「永遠に同じ夏を繰り返す」あらしは「多くの夏を積み重ねる」はじめにとって「この夏」はその中のひとつに過ぎないことを教えると二人の距離が広がり、同時に「通じ合えなくなった二人」は跳ぶことが出来なくなった、というお話でした。
 こうして書いてきますと「宙を走る鉄道に乗った美女と少年」のアニメを思い出しますが、これはすなわち少年の成長を描いた由緒正しい作品であるということでございます。前に一度以上(笑)書いたように記憶しておりますが、新房監督は今の時代にこのテーマの作品を照れずに描いても良いと思いますよ。ギャグで韜晦してる場合じゃありませんてば!(笑)