とある科学の超電磁砲<レールガン>第8話『幻想御手』

 「とある電脳網の掲示板」を見る機会がありまして、今回美琴が不良たちを誘い出すシーンが「インデックス」の一話冒頭に繋がっている事を知りました。「流し斬りが完全に入ったので」さんが11月22日のエントリーで書かれていた意味がようやく分かりました(笑) ・・・ネット配信の遅れが憎い!!
 確かに繋がりという意味では齟齬があるのかもしれませんが、「インデックス」に登場した不良たちは「レベル0」と言及されていましたし、もしここの整合性を重視してしまいますとあの場面の美琴の捜査は空振りになってしまうという別の問題もあるような気がいたします。
 原作を全く読んだり見たりしていない者の感想といたしましては、(少なくとも現時点では)あそこでトーマが登場しなくても特にストーリー進行上問題はないというものでございます。ただし、今後まだ本作にトーマが重要な役割を果たすために登場するというのでしたら多少問題はあるかもしれませんが。
 そもそも原作者が「インデックス」を書いたとき「レールガン」の事を念頭に置いていたのかが問題で、個人的にはそこまで計算していたとは思えませんし、多少の齟齬はシャーロキアンのようにファンが色々と補足してあげれば宜しいかと。そういう楽しみ方の方が建設的だと思うんですけどねぇ。
 さて「虚空爆破(グラビトン)事件」(こんな漢字なんですね)は終わるどころか別の事件の導入でしかなかったようです。この辺の物語の繋ぎ方は「インデックス」より数段上手いと感じてしまいます。
 三話と五話に出ていた犯人も今回の事件に繋がっているという仕掛けは、長編であれば当然なのかもしれませんが、独立したお話として観ても最大限楽しめるように作っていながらこうした「章」毎の連動性が「インデックス」のときには見(ry 私の中で原作者の株は鰻上りでございます(笑)
佐天さんのこと
 佐天さんというキャラは最初見た時、このメンバーで一番の常識人(初春のパンツを捲るのが趣味みたいな女のどこが常識人だというツッコミはなしの方向で)というか、何のとりえもない平凡な中学生で、ともすれば浮世離れしかねない高レベルの能力者である美琴たちを「日常」や「世間」に引き止めておくためのキャラだと思っていました。
 持っている能力の高さゆえ「異物」として世間と隔絶して苦悩するというパターンはよくありますし、実際「インデックス」において美琴は「シスターズ」を生み出す手助けをしたことに苦悩しておりましたから、こう考えることも「アリ」だったと思います。
 ですがレベルの違いはあるにせよ能力者であることが当たり前の世界にあって、「持てる者の苦悩」を描いてもそこに共感できるのかという疑問が湧いてまいりました。この場合大元は「力に振り回される苦悩」に行きつくとしても、能力者各人には固有の悩みや苦しみがあり、しかし「観る側」とすれば所詮「持てる者の贅沢な悩み」としか感じられないかもしれません。
 だから「持たざる者」の代表として佐天さんが・・・、とは考えていなくて(笑) 「あること」が当たり前の世界において「ないこと」こそが「異物」であって、佐天の苦悩とは表面上は「あるもの」への憧れと妬みかもしれませんが、実は美琴が背負う筈だった苦悩を作者が「チェス盤をひっくり返して」佐天に背負わせたのではないかと、考えないで良い事を考えた次第でございます(笑)
 もしかすると「インデックス」ではインデックスが主人公ではなくトーマこそが主人公だったように、「レールガン」では美琴が主人公ではなく佐天さんこそが主人公・・・、な訳はありませんね。
 今後の注目は佐天がどうなるかでございます。あー、原作知らなくてこんなに得した気分になれるとは(笑) 来週が楽しみです。