夏のあらし!〜春夏冬中〜第7話『天城越え』

 「小林茶碗」を巡る愛と欲望の冒険物語。たしかにあそこも「底」だけどさー(笑)
 今回も軽いコメディでしたが、あらしたちが「跳んだ先」の描写を一切しないことで、そこで巻き起こった騒動を想像させる手法をとり一幕ものの芝居仕立てにしておりました。
 この匙加減が難しいところで、ここまでのエピソードを拝見してまいりまして本作の場合、直接的な描写で笑いを取るような大きな動きが若干空回りしていたように感じておりましたし、むしろこうした想像させて「クスッ」と笑わせるほうが相性は良いみたいです。
 更に書きますと、ここ最近の作品しか知らない「にわか新房信者」といたしますと、新房監督の持ち味は「間」の多用にあるように感じられ、それですと今回のように「笑い」を直接描かない方が合っているように思えるのですが、「監督の引き出しはそんなもんじゃねえ!」場合には素直に謝る用意はございます(笑)
 今回はタイムトリップネタを効果的に使っておりましたし、ネタとしても綺麗にオチておりましたので満足できました。要求が高すぎるかもしれませんが、有料配信を観ている者といたしましてはこのラインを最低限保っていただきたいものでございます。