とある科学の超電磁砲<レールガン>第7話『能力とちから』

 グラビトン事件後編。佐天が自分の能力の低さを悩んだり、美琴の趣味の悪さを隠したり、そしてトーマが美味しい所を全部持っていったお話。トーマの「イマジンブレイカー」は「能力(魔法)」で作り出されたものであれば炎であろうと電気であろうと爆発であろうと有効なのですね。・・・無敵じゃん(笑)
何故「レールガン」にトーマが登場するのか?に関する妄想
 「インデックス」を観ていた者といたしましては彼の登場は単純に嬉しいのですが、物語として今回のようにトーマが最終的な結末に関るといたしますと美琴の立場は微妙になってしまうような気がいたします。
 この「レールガン」では美琴が主人公であり、黒子や佐天そして初春が物語を彩るキャラクターとして本来彼女たちだけで完結することが望ましいと考えております。今回の結末においてトーマの活躍は妥当だと思うのですが、別に「アンチスキル」の誰かが登場して解決してもかまわない訳でして、何故トーマなのか?という疑問は残るのでございます。
 トーマが活躍した事によって得られた爽快感を優先されたのかもしれませんし、主要キャラが女性ばかりで美琴の精神的成長を促すために必要と思われる異性として使い勝手の良いトーマが選ばれただけなのかもしれません(笑) ・・・なにせ不幸が服を着て歩いているようなキャラですからねぇ、どんな事態にも対応可能キャラ、と。
 しかしトーマにはもう一つ特別な存在としての理由があって、それは美琴ですら太刀打ちできない能力を持っているという事なのかもしれません。学園都市に7人しかいない「レベル5」の美琴はある意味無敵の存在で、といたしますとこの物語のバランスは大きく崩れてしまう危険をはらんでいるのでしょう。
 最終的に美琴が登場してしまえばどんな事件もあっという間に解決してしまうとすれば作品は単調になってしまうことでしょう。仮に他の「レベル5」を登場させたとしても、持っている能力は違うのでしょうから美琴の性格から推察いたしますと上手く彼女とかみ合う保証はありません。・・・もっともこれは作者の腕に掛かれば簡単に解決してしまう問題なのかもしれませんが。
 ですがトーマが居ることによって美琴は無敵でも万能でもない、趣味の悪いパジャマかわいいぬいぐるみが好きな幼さの残る中学生として描かれることが可能になっているのではないでしょうか。能力は持っていてもちからを持て余している存在として。
トーマの説教が聴けなかった事に関する妄想
 例えば「インデックス」であれば爆弾魔を追い詰め殴り飛ばしたのはトーマだったでしょうし、そこで小一時間説教したと思うのですが「レールガン」では颯爽と立ち去っております。まあ、主人公じゃないからなんでしょうけど(笑)
 Cパートで「どうでもいいだろ」と嘯くトーマを見ていて「インデックス」からの視聴者はどう感じたのでしょう。私は「丸い」と感じてしまいましたが、これはまだ彼が「守るべき者を持っていない」が故かもしれませんね。
 「インデックス」に出逢ったことによって彼の運命は大きく変わり、トーマ自身も「熱く」変わったのでしょう。ですからそれ以前の熱気も説教分も足らないトーマを見れるのは「レールガン」だけ!なのかもしれません。・・・まあこちらのトーマの方が好みだったりするのですが、その一方で「こんなのトーマじゃない!」という思いがあるのも事実でございます。