獣の奏者エリン 第43話『獣ノ医術師』

 ラザルからの使者の中に、幼獣の頃「音なし笛」で嫌なことをした者を見つけ暴れるリラン。自身も負傷しながらリランの暴走を止めるべく「音なし笛」を吹くエリン。守りたかった「もの」を守りきれず王都に向かう傷心のエリンだった、・・・というお話でした。
 リランとの信頼よりも見ず知らずの(むしろ「敵」か)人間の命を救うエリンの決断と、その結果を受け入れてもなを(既に嫌われてしまっている)王獣の「自由」を守ることを決意するエリンの健気さに涙を禁じえません。
 母親の形見の腕輪を首から外し指を失った左手につけたのは、(母親に)守護される者から(守りたい「もの」を)守護する者への脱皮と解釈すべきなのか、あるいは足枷をつけられたリラン一家と同じように王家の争いに捉われたことの暗喩なのか、それとも掟を守らなかったために失ったものを忘れないための戒めなのか。幾つにも解釈できるエピソードでございます。
 それにいたしましても、ここまで観ていての感想としては我ながらどうかと思いますが、この作品には抗い難い運命の渦に巻き込まれる外にいて、その運命に影響を及ぼしてくれる「バルサ」が居ないことが不安でございます(笑)
 まあエリンは自分で何とかするキャラですから「バルサ」のような立場のキャラは不要なのですが、ここまで来ちゃいますとエリンの力だけでどうかなるとも思えず、お父さんは心配で心配で(笑) 誰か何とかして下さい!!