青い花 第11話(終)『冬の花火』

 第一幕終了、といった趣の最終回でした。
 登場人物たちのそれなりの、(創作されたキャラではありますが)当人にしてみれば結構きつい葛藤は描かれておりましたが、こうなりますともう一段の踏み込み、つまり(決して興味本位ではありませんが)「性」といった問題も描かれませんと少女たちの深い想いに到達しないような気がいたしました。
 もっとも今の状況はそれを許さないでしょうし、たとえ描いたとしても興味本位で見られてしまう事は制作スタッフにとっても原作者にとっても望まないでしょうから、これは良い大人の判断だったのかもしれません。ですがそうなると作品の印象としては薄くなってしまった事も否めず。兼ね合いって難しいですね、本当に。
 矛盾しておりますが、その薄さが独特の空気感を醸しだしていたことも事実でして、何と申しましょうか少女たちの存在の希薄さ? 透明さ、かなぁ? こういうところで適切な言葉を見つけられないことが残念。でも、そうした雰囲気が大好きでした。
 短い青春という有限の時間の中に永遠を見つけ、その永遠の中に輝く一瞬を見つける少女たちの物語。ここで終わってしまうのは惜しかったです。最後の台詞が「ふみちゃんは泣き虫なんだから」は良い選択でございました。